新築一戸建てを建てるときの棟上げの流れ

何もない更地に、土台を作り、柱を建てて、だんだんと一戸建て住宅が出来上がっていきます。最後に屋根の上の部分、棟を取り付けて基礎工事が完成します。それを上棟といいます。上棟の日をお祝いするのが棟上げです。これをお祝いして神事が行われたり、餅まきをする風習があります。また施主は棟梁をはじめ大工さんたちにご祝儀を渡したり、お酒をふるまったりします。上棟の日にどのようなことが行われているのか流れをご紹介します。

棟上げ当日の流れと準備するべきものとは

一戸建て住宅を建築中でも、依頼主は、そうそう現場に顔を出すことはありません。工事が始まる前の儀式、地鎮祭の時にその土地に足を運ぶと、次に行くのが、棟上げの日です。この日は、事前に段取りされています。

朝から大工さんはじめ関係者が集まり、棟梁の指示の下、柱が組み立てられていきます。二時間ほどすると小休憩に入ります。科学的に証明されていることなのですが、人間の集中力の限度は2時間ほどなので、重いものを持ったり、同じ姿勢で作業をしたり、高いところでの作業など集中力を要する作業をする場合には、2時間に1度休憩をとるのです。15分ほどの短い休憩でも、この休憩を取るのと取らないのとでは作業効率が大きく違ってくるのです。怪我をする確立もあがります。

この休憩時に、お茶をふるまいます。といっても自宅が近いところにあるわけではないので、近所のスーパーやコンビニで買ったペットボトルや缶のお茶やコーヒーであることがほとんどです。昼食時にも、この日はお弁当をふるまいます。そして、3時の休憩時も同様です。この数回の休憩を挟んで作業が進められ、夕方には一番上の棟が取り付けられ、作業が終了します。

そのことを祝って、神主さんを呼んで儀式が行われます。その後、屋根の上から、餅巻きをします。餅を拾った人は、家を建てることができた幸運のおすそ分けをもらえるといわれています。また、その時の餅は、焼いて食べると、家を焼くと縁起が悪いので、焼く以外の方法で頂きます。餅のほかに赤いリボンをつけた五円玉を一緒に投げたり、最近では、お菓子をまくところもあります。

その後、工事関係者にお食事やお酒がふるまわれます。昔からの風習ですが、棟上げをやらなかったといって不都合が起こるわけでもありませんが、気持ちの問題で、お茶ひとつでもふるまわれれば、良い気持ちで仕事に取り掛かるのが人情です。大掛かりにしなくても感謝の気持ちを態度で示してもよいのではないでしょうか。

棟上げに必要なものは何?ご祝儀や御礼リスト

棟上げに必要なものは、いくつかあります。上棟の儀式で使うお清めの塩、米、清酒、神様にお供えする水や塩、お神酒や海の物、山の物、季節の物などがあります。その他には、紅白の餅や五円玉、お菓子など棟上げでまくもの、大工さんたちへの差し入れやお弁当、ふるまい用の食事やお酒、ご祝儀などが必要です。

上棟式は、野外で行われますので、天候の不安があります。雨が降ったらどうなるのでしょうか。小雨程度の場合は、行われる場合がほとんどです。延期になった場合、全員のスケジュール揃わないので再調整するのが大変です。延期するとそれだけ工期も遅れてしまいます。木材は、雨に濡れても、天候がよくなれば乾燥するので、問題はないです。棟上げのスケジュールは、予め天気予報を参考にして組まれていることがほとんどです。

上棟の儀式の流れとしては、棟木を取り付け終えたら、棟梁が棟木に吹流しなどを付けます。祭壇を設置し、お供え物を飾ります。それから、神主さんが、塩、米、清酒を家の四隅にまいてお清めをします。神主さんを呼ばずに、棟梁がお清めの儀式を行う場合もあります。それから、餅などをまいたり、大工さんたちに食事がふるまわれたりします。工事関係者へご祝儀や手土産を渡します。

ご祝儀は、工事に携わる職人全員に渡します。相場は、棟梁が3万円から5万円くらいで、他の大工さんは1万円くらいだといわれています。その他にも、人数分のお昼のお弁当代や、飲み物、休憩時の差し入れの飲み物や軽食なども準備、帰りにお土産として渡す引き出物などを合わせると、10万円以上の出費となります。

しかしこのように一軒の一戸建て住宅を建てるのには、多くの人が関わっています。上棟式は、ここまで無事に出来上がったことのお祝いと、工事関係者への労いと感謝、そしてまだまだ続く工事の安全を祈願する意味も込められています。

棟上げはやった方がよい?都心では減りつつある行事

上棟式は、費用が掛かります。なのでやらないという人もいます。施工会社でも、特に要望のない限り実施しないというところも増えてきています。忙しくて、棟上げの日に現場に行けないという人もいます。なので、あえてやらないという人もいます。

上棟式を行う人は、なぜ、お金も時間も費やして行うのでしょうか。一つは、家を建てることに関わる人に感謝の気持ちを示す場であるからです。一戸建て住宅を購入するのは、一生に一度くらいの大きな買い物です。注文住宅の場合は、理想と夢が込められています。出来上がりが待ち遠しく、少しでも進行状況を見たいから現場に行きたいけど、普段の作業中は邪魔になるので、上棟式にかこつけて見学したいという人もいます。

また、感謝の気持ちを表すのにうってつけな日です。高価なものを用意する必要はありません。しかし、ペットボトルのお茶や缶コーヒーなど、ささやかな感謝の気持ちをこめて差し入れをすると職人さんたちとコミュニケーションもとれます。差し入れをしなかったからと言って、工事が雑になるとかそのようなことはありません。仕上がりは同じですが、気持ちの問題です。逆に毎日のように現場に来られても、お邪魔になるといけませんので、節目の日に行う方がよいでしょう。

棟上げにご祝儀を渡したり、食事やお酒をふるまうことで、厄落としと考える人もいます。家を購入するということは、人生の成功者です。それを妬んだりやっかまれたりしないとは限りません。しかし、周囲の人にふるまうことで、妬みややっかみの気持ちも薄らぐのが人情です。禍福はあざなえる縄の如しという言葉がある通り、よいことがあれば、悪いこともあります。お金をたくさん使うことで、マイナスなことが起きたので、続いて悪いことは起きませんようにという意味も込められています。

よいことは、周囲の人にも分け与えたいという気持ちから、棟上げのときに、餅や五円玉が投げられるようになったのではないでしょうか。

まとめ

新築一戸建てを建てるときに、棟上げを行う人は少なくなりましたが、地域によっては必ず行うというところもあります。流れはある程度は決まっていますが、必ずしもこうしなければならないというものはありません。

棟上げを行う、行わないも依頼主の気持ち次第です。なくても建築に支障はありませんが、上棟式が行われるのは、家を建てることに関わっている人達に感謝の気持ちと、誰も怪我などをせず無事に完成することを願ってのことなのです。